ちょっと言うのが遅かったですが、このバーチャル博物館製作メモは、「JOG5周年記念事業」のひとつとして、井関先生及びJOGの住民の皆さんに捧げようと思って書いているものです。
さて、いよいよ終盤に近づいてきましたが・・・。
アイデアを形に
SLやOpenSimでは人工物はたいてい基本プリムの組み合わせとテクスで造形できる。その場で形にできるってとてもすごいことじゃないかと私は思う。
3Dモデリングソフトではワイヤーフレームをぐじぐじ弄った結果がどうなるかは、作業に区切りを付けた時点で光源の位置だどあれこれ設定した上でレンダリングしないと分からない。ところが、SL/OpenSimでは製作する端からアバターや風景が存在する中でリアルタイムにレンダリングされる。これが仕上がりを見ながら少しずつ手を加えていく喜びになる。
今回はこの基本プリムの基本テクニックの話。
(ボックスとシリンダー)
最初のSSを見てください。一番下は立方体に円形の穴を開け、パスカットを加えたもの。その上は、テーパーを加え、さらにひねりを加えたもの。ここで注意してもらいたいのは、テーパーやひねりが加わるのは青い軸に対してのみであり、赤い軸や緑の軸に対しては加えられない。これはボックスもシリンダーも共通しており、このことさえ覚えておけば、戸惑わないのではないだろうか。
例えば絵画を展示する場合は、ボックスに四角い穴を開けて最大にし、テーパーをつければ簡単な額縁になる。
なお、テーパーをつけた場合、普通にテクスを貼ると、二つ目のSSの左側のとおり、テクスが歪む。それを防ぐには編集モード>材質のマッピングのところを「デフォルト」から「平面」に変更すること。
(チューブとトーラスとリング)
次にチューブである。一見、穴開きシリンダーと同じように見えるが、パスカットで断面を見ると、3つ目のSSを見て分かるように、ボックスやシリンダーと同じように穴やパスカットを加えることができる。
つまり、ボックスやシリンダーを青い軸周りに回転させたのがチューブやトーラスやリングなのである。ここで回転体の断面にカットを入れる場合は「プロフィールカット」で変更するなどボックスやシリンダーの操作方法と多少の違いがある。
これら回転体には特殊な性質があって、編集モード>形状の右下の回転体の数字1.0000をちょっと弄って、また1.0000に戻してみよう。すると、突然、上の形状のように、螺旋モードに切り替わる。あとは上下に引き伸ばしたり回転数を変えると、螺旋のスロープになる。この螺旋スロープは博物館の回廊として上下のフロアを結ぶのに便利(4つ目のSSのタワーを参照)
このタワーの各フロアーや螺旋通路の手すりにもチューブを使っている。5つ目のSSの下の輪はシリンダーの穴を最大95%にしたもの(JOGでは99%にできるが・・・)。上の輪はチューブのプロフィールカットで作ったもの。とても薄くできることが分かる。
(球体)
球体にはチューブ等と似たところがある。6つ目のSSをどうぞ。くぼみがミソで、カットとくぼみの組み合わせによって1/8半球が作れる。これを8個組み合わせることによって、球殻の外面又は内面に貼るテクスの解像度を2048x4096、つまり8倍の解像度に上げることができる。これは地球画像あるいは星空の表示に役立つ。
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以上のテクニックを使えば工業製品だとたいてい基本プリプだけで作れる。特に水中又は真空中で使われる機器は球や円筒が多用されるので再現しやすいが、生物の特徴をざっと表現するのにも便利。
7つ目のSSはダイオウイカ。目にまぶたがあること、漏斗の位置、口のカラストンビ、背中のフィンの作り方など、特徴を正しく伝えるには、しっかり観察してきた者が自分で造形するしかない場合もある。