バーチャル科学館製作メモ(その8)

バーチャル科学館製作メモ(その8)

- Yan Lauria の投稿
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ここから先は自分でもうまく行ってないし、仮想空間のシステム設計の問題もあるので書きにくいけど・・・。

どうやって来場者とかかわりを持てるようにできるか?

例えば現実世界の博物館や美術館は、上野界隈を除き、たいてい客足に苦しんでいる。お台場の日本科学未来館ですら、土日を除いて入場者不足で悩んでいるぐらいだ。

ましてニッチな仮想空間だ。どうやって入場者数を増やしていけるか?、どうやったらフォロワーの多いブロガーに取り上げてもらえるか?、リピーターを増やすにはどうすれば?、どうしたら訪問者からのフィードバックがもらえるか?、協力者を得るには?などなど、悩みが尽きない。

(Google検索の奇跡の終焉)

昔はGoogle検索が個人の情報発信を最大限に生かしてくれた。個人サイトを立ち上げ、リソースとなる他サイトを見つけてはリンク集に加え、そのうち相互リンクも増えるし、掲示板を設置したり、メーリングリストで仲間を増やしていく・・・、こんな方法で、どんなニッチな分野でも必ず日本全体でそこそこ熱心な戦友も見つかった。

その背景には、当時、公的機関や企業の説明責任/アカウンタビリティ重視の風潮もあり、オープンにすることが人類共通の知財に貢献するとして賞賛された時代背景がある。そこではインターネット活用におけるイニシエータとアーリーアダプターがある種の特権を享受することができた、

ところが今のGoogle検索を見ると、企業のSEO 対策(Search Engine Optimization)とGoogle側の対抗策のイタチゴッコのせいか分からないけど、それまでの個人発でMovementを引き起こすための公式が機能しなくなっている。これは、ネット人口の急激な膨張の結果、匿名性が高くて道徳的ブレーキが効きにくいネット社会の弊害が顕在化する中、公的機関や企業における成果第一主義と知財保護の流れからの情報の抱え込みが進んだことも絡んでいるだろう。

(口伝えの世界=仮想空間)

さて、仮想空間はどうだろう? まず、仮想空間内のコンテンツはテキスト化されておらず(テクスチャー化されている)、またそもそもプロフィールと土地情報とグループ情報以外は検索の仕組みがない。仮想空間での情報伝達が基本的に口伝えと言われるゆえんである。

もうひとつ、仮想空間は同期コミュニケーション、つまり同時・同一場所アクセスしている者同士は濃密なコミュニケーションが可能だが、それ以外、つまり非同期コミュニケーションの手段はSNSなどと比べて貧弱である。

もとから仮想空間とSNSが同じID/PWやユーザーインタフェースでシームレスに繋がっていたらどうなっただろう? JOGとMoodleの例はそんな理想の姿を髣髴とさせるが、ソラマメやそんくすの歴史を見れば、そうだったらよかったとは必ずしもいえないかもしれない。なぜなら、現実世界と仮想空間をインタラクションするためには、SLやOpenSImのアカウントの中に閉じていてはいけない。仮想空間内の情報はツイッター、Facebook、YouTubeなどネット上のスタンダードに乗って現実世界に拡散されなければならないからだ。

(とりあえずどうするか?)

泣き言を言っても始まらない。元の話に戻そう。要するに、バーチャル博物館を運営するなら、それは仮想空間内だけでは閉じない。つまり、仮想空間の外にも協働のためのプラットフォームをなにか併用しなければならない。

まずコラボのための手段を考えれば、Skypeのグループ通話が最もよさそうだ。必要に応じて一対一も使い分けられる。Skypeの画面共有は、仮想空間で視点を共有できない欠点も補う。

 

(思いっきり尻切れトンボだが、疲れたので、つづく)